パチンコ業界の景気動向指数調査(2024年10月版)
みなさま、こんにちは。ONEHALLソリューションサービス担当です。
本日は、パチンコ業界のマーケティングを行う、シーズリサーチより寄稿いただきパチンコ業界の景気動向指数調査(DI)の最新結果をご紹介したいと思います。
パチンコ業界のマーケティングを行っている私共シーズリサーチが、四半期に一度調査しているパチンコ業界の景気動向指数調査(DI)の結果から現在のパチンコ業界の現状についてご報告していきます。
目次[非表示]
- 1.景気動向指数調査とは
- 2.全般的業況
- 3.主要指標数値と業界天気
- 4.パチンコ・パチスロ稼働状況
- 5.パチンコ・パチスロ遊技機購入費
- 6.パチンコ・パチスロ設置台数
- 7.全般的業況(3か月後までの予測値)
- 8.ホール事業者の声
景気動向指数調査とは
まず、「景気動向指数」とは何かについて簡単にご説明していきます。
景気動向指数とは、景気局面の総合判断や予測と景気転換点の判定に利用される景気動向指数のひとつで、数値化しにくい業況感を指標化できるので、景況の先行きを判定するために様々な業界・業種で使われています。
シーズリサーチでは、パチンコ業界の景気動向をはかる指標として、パチンコ店経営企業様を対象に、四半期に一度この調査を実施し、その結果をまとめております。では、早速2024年10月発表のパチンコ業界の景気動向指数を見ていきましょう。
全般的業況
過去1ヵ月の収益や売上、粗利などから判断される「全般的業況」は、前回の-12.3ポイントからプラスに転じ13.3ポイント(前回比25.6良化)まで大幅に回復しました。コロナ禍で全般的業況はマイナス圏を推移していましたが、23年3月を境にプラス圏を行き来するようになりました。
また、このDI値は+100から-100の間をとり、プラスならば景気拡大期、マイナスならば景気減速期と判断されます。
次に、主要指標数値を見ていきます。
主要指標数値と業界天気
各項目のお天気マークの下にある数値がDI値です。
お天気マークは以下のDI値をわかりやすく表示しており、晴れているほど良いと考えて下さい。
■前回:2024年7月発表値
■今回:2024年10月発表値
■見通し:3か月後までの予測値
今回も、パチンコの稼働状況と充足感(雇用人員)の不足感が大きく、業界では大きな課題となっていることが見てとれると思います。
では、次にパチンコ・パチスロ(全体)の稼働状況を見ていきます。
パチンコ・パチスロ稼働状況
稼働は、パチンコ・パチスロともに新型コロナの影響で大きくマイナス領域に落ち込んだあと、パチスロはスマスロの登場によりプラス圏を維持しています。
一方パチンコは、マイナス圏でいまだ低迷しており、ラッキートリガー機の登場で一時的な回復があったものの、依然厳しい状況が続いています。
次に遊技機購入費と設置台数です。
パチンコ・パチスロ遊技機購入費
遊技機購入費の増減差(「増やす」-「減らす」)でみると、パチンコ・パチスロの新台ともに増加傾向となっています。また、中古機はいずれも減少傾向となりました。
パチンコ・パチスロ設置台数
また、設置台数の増減差も低下傾向にはあるものの、稼働と比例するようにパチンコよりパチスロの流れが続いています。
では、今回プラス圏となった「全般的業況」ですが、3か月後はどのようになるでしょうか。ホール事業者のみなさんの予測値をご紹介します。
全般的業況(3か月後までの予測値)
今回13.3ポイントだったDI値ですが、3か月後はマイナス5.3ポイントとマイナス圏に転じる見通しです。毎年、稼働が下がる時期ではありますが、稼働低下の対策が必要となります。
また、年末年始に向け集客など、店舗の強みを活かした営業施策を戦略的に実施できるように準備しておくことをおすすめします。
最後に調査でご協力いただいたホール事業者みなさまのコメントを現場のリアルな声として一部ご紹介します。
ホール事業者の声
■関東エリア・中規模事業者
「スマパチとラッキートリガーの需要が上がってほしい。」
■中国エリア・大規模事業者
「新紙幣改刷対応がひと段落したが、今後はスマパチに設備投資せざるをえない状況となっている。そのなかで、遊技機にも投資する必要があり、常にお金のかかる状況でパチンコ店はどんどん疲弊してきている。資本力のある企業だけが生き残りそうでない企業が衰退していく図式がさらに加速していく。」
■九州エリア・中規模事業者の声
「遊技機の価格が高騰傾向にあるのが懸念点になっている。」
その他、遊技機の抱き合わせ販売などの遊技機購入費の増加や設備投資の負担など、多くの声が寄せられています。今後も投資はかさむことから、課題となっているパチンコ市場の回復が早期に望まれます。
シーズリサーチ■報告書レポート
https://sees-research.com/trends2024_1015
調査について
■調査対象:日本遊技関連事業協会・MIRAIぱちんこ産業連盟・余暇環境整備推進協議会の3団体会員ならびに全国の有力パチンコ店経営企業
■調査方法:FAXおよびWEBアンケート
■回答状況:51企業、75地域
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