BT機はパチスロ市場の追い風となるか(遊技者調査)
こんにちは、ONEHALLソリューションサービス担当です。
現在のパチンコ・パチスロ市場は、パチンコに比べパチスロが好調ですが、更にパチスロの追い風となるかもしれない新機能「ボーナストリガー(通称:BT)」が日電協・日工組より2024年9月に発表されました。
本日は、この「BT機」の可能性について、現在の遊技者の認知や遊技意向などのデータを元に探っていきたいと思います。
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ボーナストリガーとは
現在のパチスロ市場では、ゲーム性において低射幸で限定的な遊技性をもつ「ノーマルタイプ」と、高射幸で多様性があり複雑な遊技性をもつ「ATタイプ」の二極化傾向が高まっています。また、これに比例して設置台数も同様の傾向となっています。この状況に「新たなタイプの遊技性の創出」を目指し実現可能となったのが「ノーマルタイプ」と「ATタイプ」の中間的位置付けのゲーム性をもった「ボーナストリガー」です。
この背景には、風営法施行規則・遊技機規則に変更はなく、 “解釈基準”が変更されたことにあります。ボーナストリガーを実現した今回の解釈基準変更内容は以下のとおりです。
※遊技枚数(3枚掛け、2枚掛けなど)は、遊技機規則上は「規定数」と呼称されています。
規定数固定機能
ボーナス終了後および初期化時の通常遊技は、複数ある規定数のうちいずれか1つに固定できる。どの規定数に固定するかは、ボーナスによって定めることができる。
※ただし、本機能を搭載する場合は、指示機能とRTは搭載することはできない。
ボーナストリガーの基本
①ボーナス終了後に規定枚数がいずれかひとつに固定される
②遊技枚数ごとに性能が異なるのでボーナス終了後に性能が変わる
<ボーナストリガーによって実現される仕様例>
このように、新たなタイプの遊技性「ボーナストリガー」によって、射幸性に頼らないシンプルで遊びやすい遊技性を持ち、市場における二極化した状態の中間地点となるところを目指すことで、現在よりも多種多様で、ユーザーに幅広い選択肢を与えられるパチスロ市場を創っていくことが狙いとなっています。
ボーナストリガーの認知
では実際に、パチスロ遊技者はBT機の存在を現時点でどの程度認知しているでしょうか。
今回の調査では、月1回以上のパチスロ遊技者(回答数1,495サンプル)を対象としましたが、現在のところ「知っている」と回答した人は20%で、「ある程度知っている」と回答した人は約32%となり、約半数程度がBT機の存在を知っている状況となっています。
ボーナストリガーの理解度
次に、BT機における理解度を見ていきます。
現在のところ、ボーナストリガーの性能を「理解している」と回答した人は約16%で、「ある程度理解している」と回答した人は約31%となりBT機の理解度は半数以下といった状況です。
ボーナストリガーの遊技意向
次に、ホール稼働の期待値となる遊技意向について見ていきます。
「遊びたい」と回答した人は約26%、「やや遊びたい」と回答した人は約43%となり、約7割の人が遊びたい意向をもっていることがわかりました。
年代別では、40代以下で3割程度「遊びたい」意向を示している結果となっています。
現在のパチスロタイプにおける年代別の割合
では、現在のパチスロ市場で40代以下がメインで遊技している機種タイプはどのようになっているでしょうか。
グローリーナスカが提供する顧客分析システム「遊動」の9月遊技者データから、パチスロタイプ別で見た遊技状況の年代割合を見ていきます。
40代以下は主にRTタイプ・ARTタイプ・ATタイプを遊技しており、今回最も遊びたい遊技意向が高かった30代以下ではARTタイプ・ATタイプを主に遊技しています。
ボーナストリガー機の可能性
現時点でのBT機の認知度は約52%、遊技意向は約69%となりました。
BT機は、「ノーマルタイプ」と「ATタイプ」の中間的位置付けのゲーム性ですが、あくまでノーマルタイプです。一定のボーナス終了後に性能が変わるといっても、爆発的な出玉は恐らく難しいことから、若年層がメインとしているAT機の出玉を好んで打つ層には、結果的に好まれにくいのではないかと考えます。そのため、客層はノーマルタイプより「少し出玉感が欲しい」「今より少し射幸性を求めている」層がメインユーザーと予想されます。
ただし、いまのところ「遊技したい」と意向を示しているのは、若年層です。
スマート遊技機をはじめ、こういった新しいものには、流行りに敏感な若年層から遊技される傾向にあります。導入後しばらくは流行りに敏感な若年層が遊技することになりますが、BT機の最終的な評価(稼働)はメインとなる遊技者層(特にノーマルタイプ属性)の遊技評価に左右されると考えられます。
また、今のところBT機の登場は、来年の年明けが有力となっています。
はじめに遊技している若年層の評価がSNS等でネガティブに発信された場合、後発遊技者にとってマイナス効果となる可能性もあるので、若年層へのBT性能の理解(特に出玉性能)は事前に浸透させておくことが重要です。
遊びの幅がいまより少し広がることで、新規客獲得の要素より現遊技者の稼働維持につながる要素が大きく、特にAT機で出玉をメインにしていない店舗では一定の稼働につながるかもしれません。
ノーマルタイプは現在「ジャグラー」が多くを占めています。「ノーマルタイプ」の客層にどれだけBT機を認知させ、評価を得られるかがパチスロメーカーの今後の挑戦であり、特に一定のファンを持っている「北電子」「パイオニア」「山佐」のチャレンジに期待が高まるところです。
引用データ
BT機に関する調査:シーズリサーチ
パチスロの各タイプ別遊技状況:遊動
BT機の導入に向けては、まず自店の顧客特性や特徴を客観的かつ数値的に把握し、適正台数の導入をおすすめします。
グローリナスカが提供する「遊動」なら、顧客の遊技動向が把握でき「遊動データ」をもとに、新台の選定や適正導入台数など、効率的な経営につなげていくことが出来ます。
遊動分析・全国遊動について詳しくは、営業担当もしくは下記までお問い合わせください。